若年層に強いレンタカーの話
他のコストもすべてこのようにして算出されていている。
この例では、算定対象コストとしてピッキングのコストと移動のコストしか示していない。
これ以外にも格差の出るコストとしては検品、梱包、返品処理等があるが、ピッキング関係のコストだけでも計欄にあるような差が出てくるのである。
X顧客とY顧客とではX顧客の方が一三五円コストが低いし、Z顧客はX顧客の五倍近いコストが物流サービスにかかっているということである。
前述したように、おそらく三軒の顧客に対する売上や粗利は同じはずである。
それなのに物流コストでこれだけの格差が出る。
当然、損益の格差は大きい。
現実に、このような例は数多く見られるに違いない。
物流サービスとはこういうものである。
物流比率とは粗利に対する物流費の割合である。
粗利とは、ご存知のように、売上から仕入原価を引いた残りであり、これで企業のすべてのコストを賄い、残ったものが利益となる。
採算という視点で見ると、物流ABCを使った新しい顧客別採算の結果は、誰もが予想しえなかったものになることが少なくない。
これまで利益が出ていると思っていた顧客が実は大きな赤字を出していたり、その逆もあったりする。
事実、ここで例に出している問屋においては、売上の大きい主要顧客が軒並み赤字顧客だったことが明らかになったりしている。
「売上の大きい顧客は大事なお客」というこれまでの社内常識が一気に崩れてしまうのである。
このように、物流ABCにより顧客別コストを算定すると、注文頻度、バラ出荷の割合はもとより電話、FAX、EOS等受注手段の違いや値札貼りの有無、梱包形態、検品方、返品等を含め物流センターにおける作業負荷の差がそのままコスト格差として反映されるのである。
顧客別採算の実際物流サービスはこう管理する資料:日通総合研究所同社では、粗利のうち物流コストを四○%以内におさめないと、結果として赤字になってしまうという損益分岐点を経験的に導き出している。
また、同社では、全顧客について「商品一個当り物流コスト」を出し、この金額で物流サービスの妥当性を見ている。
つまり、社内での検討の結果、一個当り物流費一三五円という数値を物流サービスの妥当性の分岐点としたのである。
物流比率一○○%という数値が何を意味するかというと、一○○円の粗利を稼いだ顧客への物流に一○○円のコストをかけているということである。
粗利を全部物流コストで使ってしまっているのである。
これでは、他の営業に関するコストや管理のコストなどをカバーすることができない状態である。
ちなみに物流比率一五○%というのは、一○○円の粗利を稼いで一五○円の物流コストを使って届けているという状況である。
経営上、こんなことが許されるはずがないが、これまでは、このような実態がわからなかったのである。
さて、この事例の後日談を少し紹介しよう。
この問屋で出したこのような算定結果は、当然社内で大きな反響を呼んだ。
赤字が出ているとされた顧客を担当している営業マンからは異議が唱えられた。
お得意様であるこの顧客がこんな赤字のはずがない、などとあからさまな疑問を呈されたのである。
この疑問に対し、算定を行った物流部門から、なぜその顧客が赤字になってしまうのか。
このように、顧客別に物流コストを算定し、それを粗利と比べただけで、これだけのことがわかるのである。
ここは赤字だが、その原因は物流にはない。
なぜなら、物流サービスの妥当性という点では妥当な範囲にあるからである。
それでは、何が原因で赤字になっているかというと、粗利が低すぎるのである。
この顧客群に対してはもっと粗利の取れる商品構成にして営業することが必要だということが示されている。
顧客群は、粗利の高い商品を販売している顧客であり、黒字になってはいるが、物流サービスという点で問題がある顧客群でいかがであろうか。
物流サービスの管理は顧客別コストをベースに行うということを強調したかったのであるが、納得いただけたであろうか。
物流サービスは、このように顧客別という具体論で議論しないと、答えが出ないということである。
もちろん、顧客別に採算を出したからといって、すぐに物流サービスが是正されたりするわけではないが、社内で物流サービスについて大きな関心を呼ぶことは間違いない。
先ほどの例で示したように、明らかに採算的に問題がある顧客がわかったとしたら、それに対して何も対策を講じないということは企業経営上ありえないことである。
明らかな赤字の元凶を放置しておく経営者はいない。
もちろん、それにどう対処するかは物流部門の仕事ではないが、物流部門としては、物流サービスの実態をコストで示し、問題提起することにぜひ取り組むべきである。
さて、前とここでは物流ABCを使った管理について話をしてきた。
これまでは、物流コストの責任区分と物流サービスについては実質的に放置状態にあった企業が少なくないと思われる。
もちろん、これは物流部門の責任ではない。
これまでは、このような分析を行う手法がなかったのであるから、当然のことといってよい。
ただ、これからは、物流ABCを使って、これらにメスを入れることが可能になったのであるから、積極的に取り組むことが望まれる。
物流ABCの活用は、これまで見えなかったコスト削減の余地を明らかにしてくれると思われるからである。
物流の世界でよく使われる言葉に「物流システム」というものがある。
レベル区分をしたが、そこの「レベル3」でこの言葉を使っている。
このレベル3では、当然固有の意味を持たせて使っているが、実は、物流の世界で、この物流システムという言葉ほど乱用されている用語もめずらしい。
また、誤った使い方が少なくない。
当然、物流システムという言葉にはそれ固有の意味があり、その意味を正確に理解しないと、本来、物流システムなど構築しえないのである。
その意味で、極めて重要な言葉といえる。
一般的に、物流システムという言葉は、なんとなく物流全体を指す言葉として使われることが少なくない。
よく、工場や物流拠点の配置図などを示し、「当社の物流システムは……」などという言い方がなされることもある。
だが、それは物流拠点のネットワークにについて、バラ出荷が多いこと、値札貼りがあること、返品が多いこと、さらに値引き率が高いこと等の原因とともに、他の同等規模の黒字顧客との比較を含めて説明がなされた。
その説明は、妙に説得力があった。
これが数字の強さである。
物流コスト発生のメカニズムが見事に示されていたのだ。
「とにかく売上を上げれば利益は後からついてくる」「大きな顧客は利益が出ているはずだ」というこれまでの社内常識が根本から崩れてしまったのである。
これまで見えなかったコスト削減余地が見えてくる物流サービスはこう管理する「物流システム」の本当の意味とは何か物流における最大の無駄がここにある「物流システム」のポイントとは物運びに過ぎず、物流システムではない。
また、物流センターの整備を進めている会社が「物流システム化を進めている」などという言い方をすることがあるが、これも誤った使い方である。
物流センターの整備と物流システム化とは無縁の関係だからである。
レンタカーを笑って続けよう!日本のレンタカーは世界に誇れます。
レンタカーの知識を扱う必要があった時代とは、もはやレンタカーの考え方を変えた方がいいのかも知れません。
レンタカーが始まります。また使いたくなるのはレンタカーだけです。